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「国語」と出会いなおすの表紙

「国語」と出会いなおす

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本書の要点

  • 学習指導要領の改訂に伴い、文学側から批判が上がった。論理国語と文学国語を分けるのは、結果的に文学を軽視しているのではないかというのがその中身だ。

  • しかし一昔前は国語が文学を取り上げることを、文学側は批判していた。この転換は文学・文芸誌上で文学と国語を対立させるような磁場によるものではないだろうか。

  • 小説を読むとき、私たちは小説に書かれている文字だけで描写を判断しない。必ず作品外の《常識》の力を用いている。その点では、国語も文学も同じだ。

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文学とは、国語とは

国語にとっての文学

mapo/gettyimages

「文学とはなんだと思いますか?」

著者が中学生から大人までにアンケートをとったところ、「難しそう」という答えが多かったなか、「文学」と「国語」を結びつけた回答も少なくなかった。多くの人にとって、「文学」は「国語」の延長線上にある。これには、文学ファンは違和感を覚えることだろう。文学ファンには「文学」と「国語」はまるで違うものだと考える人が多いからだ。

本書は「文学」と「国語」についての本だが、「文学」の精神や意義を深堀するものでも、文芸批評家の提示するような「文学」について考えようとするものでもない。本書における「文学」は、小説や詩といった言語表現に必ずしも慣れ親しんでいない人の「文学」のありかたや、中学生がアンケートで答えたようなありかたも含んだものである。

こうした意味で文学を捉えなおしたとき「学校教育」における「国語」が重要なものとして見出される。「文学」という言葉が広く使われているのは「国語」が「文学」を扱っているからだ。活字から遠ざかっている人たちは「国語」を通じて「文学」のイメージを形成しているのである。これは、「文学とはなにか」を追求している「文芸批評」が見過ごしがちな視点だといえるだろう。

多くの人間にとって「文学」は「国語」の延長線上にある。だからここでは「国語にとって文学とはなにか」、あるいは「文学にとって国語とはなにか」を問うべきなのだ。

本書はこうした問いを通して、文学と国語のありかたを再設定することを目指している。

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【必読ポイント!】 「国語」と「文学」

なぜ国語は批判されるのか?

国語は真正面から「文学とはなにか」を問うたりはしないが、「文学」という言葉を多く用いてはいる。2022年度からの新学習指導要領では高等学校に「文学国語」という科目が設置され、国語における「文学」議論は盛り上がりをみせた。

文芸批評家の福田和也は『作家の値うち』で、文学を「読者の了解」や「読者の通念」を積極的に遠ざけ裏切ろうとするものとして捉えている。福田和也が主張する「文学」と、学校教育における「国語」は相性が悪い。学校は社会的「通念」を教える場だからだ。実際、「文学」の尖った自由さを強調する際には、よく国語を引き合いに出される。

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要約公開日 2026.01.03
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