部下がついてくる人、離れていく人の叱り方

未読
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部下がついてくる人、離れていく人の叱り方
出版社
出版日
2015年07月21日
評点
総合
3.3
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

部下を叱るのが好きな人はそういないはずである。叱ることには、欠点を指摘する、ミスの原因を追及するなど、どうしてもマイナスのイメージがつきまとう。叱った後の部下との関係にも気を遣うだろう。本書では、そんな「部下を叱る」という行為の本質を見つめ、何のために叱るのかという根本的な考え方から、どう叱ると伝わりやすくなるかの話し方のテクニック、ひいては叱ることをきっかけに部下のパフォーマンスを伸ばすという発想の転換までを追究し、あらゆる角度から有用な「叱る」方法を導き出す一冊である。

叱り方を突き詰めていくと、人と人との信頼関係をどう築くか、自分自身は部下とどう向き合っていくのか、といった人間関係の基本に関わるところに行き着くのだということにも、本書は気づかせてくれる。「自分の利益のために叱っていなかったか?」「日ごろからよいコミュニケーションがとれているか?」と、読者は、知らず知らずのうちに自問することになるだろう。

叱るときに何と言えばいいのかわからない、一生懸命叱ったつもりだが関係が悪化してしまったなど、叱り方に悩みをもっている人はもちろんのこと、今以上に部下にパフォーマンスを上げてほしいと思っている人、自分の叱り方はこれでいいのかどうか確認したい人にもおすすめの一冊である。

著者

齋藤直美
株式会社ミュゼ代表取締役。
外食チェーン本部人材育成部署にて、約8000人の教育・研修を担当し、新人、管理職、社内講師の育成を行う。その後、2006年(株)ミュゼ設立に参画。“月曜日が待ち遠しくなる組織づくり”をコンセプトに大手企業や自治体などあらゆる業界のリーダー教育、組織活性化に携わり、全国各地で研修・講演を行っている。
研修、講演の受講者満足度は高く、「現場で使える!」と定評があり、ほめ方・叱り方について新聞、雑誌、テレビなどで多数取り上げられている。
著書に『「ほめる・しかる」で部下を劇的に伸ばす!「20代男子」戦力化マニュアル』(日本実業出版社)、『叱り方ハンドブック』(中経出版)、『あたりまえだけどなかなかできない叱り方のルール』(明日香出版社)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    叱るということは相手の成長を願ってする行為である。自分本位の感情ではなく相手への愛情がベースとなっているかを確認しよう。
  • 要点
    2
    叱るときは客観的に事実を確認し、相手の話をよく聞く。決めつけて責めたり、自分がいい恰好をしようとしたりせず、部下に敬意をもってひとりの人間として対話することが大切だ。
  • 要点
    3
    ポジティブな言葉をかける、プロセスを評価する、部下の強みを生かすなど、適切な叱る方法を選ぶことで部下をいい方向に伸ばすことができる。
  • 要点
    4
    必要な時に上手に叱るためには、日ごろの信頼関係づくりが重要である。

要約

部下を叱るときの心構えと基本

何のために部下を叱るのか

あなたは、どんなときに部下を叱っているだろうか。叱るとき、頭の中にはどんなことが思い浮かんでいるだろうか。「部下のミスによって自分が困る」「自分に不利益が生じる」という思いからついきつく叱ってしまった、という経験もあるかもしれない。しかしその思いは必ず部下に伝わる。「自分が困るから」という理由で叱っていては、本心を見抜かれて部下は離れていくだろう。叱るということは、相手の成長を願い、未来を変えるための前向きな対話でなければならないのだ。

やってはいけない叱り方

叱る場面では、自分も感情的になってしまうこともあるだろうが、そこは一呼吸おいてほしい。感情をただぶつけたり、いつまでもしつこく叱ったりしてはいけない。「お前はダメだ」と人格を否定するような叱り方は論外だ。存在や能力、この先の成長の可能性やバックグラウンドまでを否定する叱り方をしてしまう人もいるが、それでは部下は傷つくだけだ。あくまで部下の「どんな行動を改めなければいけないのか」にフォーカスしよう。叱るとは、部下の人格を変えることではなく、行動の改善を促すものなのだ。

叱る前に、関係性ができているか
SashaGalatchenko/iStock/Thinkstock

叱るときには、叱る側にも不安な気持ちがよぎることがあるだろう。しかし日ごろから信頼関係を築いていれば、人は素直に話を聞けるものである。叱った後のことを心配するより、日ごろからのコミュニケーションを大切にしよう。その上で、愛情をもって、自分の気持ちも正直に話しながら叱れば、きっと相手に伝わるはずである。

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要約公開日 2016.01.25
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