地域でいちばんピカピカなホテル

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地域でいちばんピカピカなホテル
出版社
定価
1,650円(税込)
出版日
2017年01月17日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

著者が社長を務める「株式会社川六」は、かつて明治10年創業の四国を代表する老舗旅館だった。それが時代の変化で廃業寸前になり、業態をビジネスホテルに変更したところ、見事経営を立て直した。

現在、著者は香川県、熊本県などで全5館のホテルを運営している。新規オープンの1店を除くと、どのホテルも当初はいつ潰れてもおかしくないほど経営状態が悪化していたが、いずれのホテルも1年で黒字化に成功させた。かつて平均稼働率が25%まで落ち込んでいたホテルも、半年後には稼働率をなんと80%にまで回復させたという。

著者はどのように運営の改善をおこなっているのか。

本書によれば、その方法はいたって簡単だ。「挨拶」「掃除」「電話」の3つを徹底するだけである。だが、これらを徹底するだけで、リピーターは増えると著者は断言する。挨拶の声を大きくし、ホテルをピカピカにし、電話の応対を改善しただけで、売上が安定的に伸びるようになったというから驚きだ。

基本的に、本書はホテル業界について書かれたものだが、接客のためのヒントや働きやすい企業にするための方法など、誰が読んでも「なるほど」と思える内容になっている。

廃業寸前の旅館を立て直し、数々のホテルの経営再建に成功してきた著者の実体験に基づく経営の指南書は、どの方法も説得力に満ちている。「おもてなし」の精神の真髄が本書には込められているといえよう。

ライター画像
池田明季哉

著者

宝田 圭一 (たからだ けいいち)
株式会社川六代表取締役社長。
1962年兵庫県神戸市生まれ。香川大学経済学部卒業後、製薬会社勤務ののち、1989年川六入社(27歳)。2000年代表取締役就任。2002年免震構造採用の「エルステージ館」を新築オープンし、旅館から宿泊特化型ビジネスホテルに業態変更(ホテル川六エルステージ高松)。慢性的な赤字体質から高収益企業へと変化を遂げる。2011年エクストールイン熊本銀座通オープン(県外初進出)、2013年エクストールイン熊本水前寺オープン、2016年愛媛県にエクストールイン西条駅前オープン、2017年山口県にエクストールイン山陽小野田厚狭駅前オープン。
高松本社は、楽天トラベルアワード2012年・シティ・ビジネス部門・中国・四国エリア金賞受賞、以後4年連続受賞中。熊本銀座通は、楽天トラベルアワード2012年・シティ・ビジネス部門九州エリア銀賞受賞、以後4年連続受賞中。2015年は、高松本社と熊本銀座通を合わせて楽天トラベルアワード驚異の5冠達成。
ビジネスホテル業態の業績不振ホテルの再生を得意とし、2011年から5年連続2桁の売上成長、今後も中国・四国、九州に出店を加速する。

本書の要点

  • 要点
    1
    お客様の声を拾うことで企業は変わる。お客様からの「ありがとう」がスタッフを生き返らせる。
  • 要点
    2
    「掃除」と「整理整頓」でやるべきことが見えてくる。毎日の掃除が「気づき」を生み、改善へつながる。
  • 要点
    3
    大きな声での「挨拶」がホテルの評価を上げる。挨拶が大きいスタッフはお客様からの評価も高い。
  • 要点
    4
    「電話」はホテルの顔である。どんなときでもそっけない対応をしてはいけない。いつも笑顔で大きな声を出して応対することが大事だ。
  • 要点
    5
    お客様満足度より先に従業員満足度を上げるべきである。不満足な従業員にお客様の満足は追求できない。

要約

【必読ポイント!】 ビジネスホテルは生き返るか?

「お客様の声」を拾う
kadmy/iStock/Thinkstock

かつて「ビジネスホテルは、誰が経営してもつぶれない」と言われ、さほど経営努力をしなくても安定的に成長することができた。しかし、1990年代以降はバブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災などが逆風となり、多くのホテルが経営不振に陥った。実際、最近でも放漫経営による倒産が相次いでいる。

こうした逆風に耐え切れず経営不振に陥ったホテルには、設備投資を怠っていたり、PRに消極的であったりなど、いくつかの共通点がある。だが、もっとも大きな原因は、お客様の声を拾えていないことだ。

川六もリーマンショックによって売上を落としたが、お客様と積極的にコミュニケーションを取って、ホテルに対する要望、希望、不満といった「生の声」を拾い、改善するように努めた。その結果、売上が半減するホテルが続出するなか、わずか10%減で踏みとどまった。このように、マイナスを最小限に留めることができたのは、お客様の声にもとづく改善を続けてきた成果である。

お客様の声がスタッフを再生させる

「お客様からいただく声」は、従業員を大きく変えるきっかけになる。お客様からいただくお褒めの言葉が増えるほど、彼らの自信も大きくなっていく。

川六では、「お客様満足度向上委員会」を設置し、お客様から寄せられた声を改善に役立てている。かつて、お客様アンケートは旅行代理店に一度回収されてしまっていたが、現在は直接回収してお客様の声をダイレクトに集めている。

とはいえ、アンケート用紙をフロントや客室に備えておくだけではお客様に書いていただけない。そのため、川六ではチェックイン時に「アンケートにご協力ください」と笑顔でお願いするようにしている。お願いのしかたとアンケートの回収率は比例しており、お願いのしかたが丁寧なスタッフほど、アンケートの回収率は高い。回収した枚数は人事評価に紐づけられ、多くアンケートを回収した社員は評価に加点される仕組みになっている。

やはり、お客様から「ありがとう」と言われるのはうれしいものだ。「ありがとう」と言われれば、従業員は「もっとお客様に喜んでもらいたい」と考えるようになり、積極的に改善案を出すようになる。お客様の喜ぶ声が、スタッフを変えるのだ。

事務作業は合理的に、接客は非合理的に

一般的にビジネスホテルの経営では、少数精鋭主義による経営の効率化が重視される。しかし、従業員の対人的サービスに関しては、効率化はあてはまらない。川六では、バックヤードでデジタル化を進めつつ、お客様には徹底したアナログ対応による接客をするようにしている。

また、川六は同規模のビジネスホテルに比べて、スタッフの人数を多くしている。接客の時間を長く取ろうとすると、どうしても人数が必要になる。現状の人数よりも1割程度少なくしても、ホテルを回すことはできる。しかし、接客の質を維持するためには、ある程度以上の人数が必要不可欠なのだ。

「できること」と「できないこと」を周知する
NorthernStock/iStock/Thinkstock

お客様のご要望にはできるだけお応えするべきだ。しかし「できないこと」もある。

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