スポーツを仕事にするという選択

スポーツ業界に転職・就職する方法
未読
スポーツを仕事にするという選択
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スポーツを仕事にするという選択
出版社
秀和システム

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出版日
2018年03月10日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「スポーツを仕事にする」と聞くと、野球やサッカーのプロ選手のようなイメージが強いかもしれない。だが、今の時代、スポーツに関連する仕事は実に多岐にわたる。メディアの発達で、映像や記録、データなど様々な角度からスポーツを楽しめるようになった。これにより、様々なビジネスが生まれるとともに、スポーツに関連する仕事に従事する人が増えている。本書はその動きをビビッドに描き出した一冊である。

著者が紹介している仕事からだけでも、その多様性がうかがいしれる。例えてみれば、それぞれに特徴のあるブティック型の店が多く集まった巨大ショッピングモールのようなものだ。新卒あり、転職組ありと求人の方法も様々。また、求人が発生しても、ほとんど人目につかないまま消えてゆく、という指摘もある。

逆に言えば、それだけスポーツを仕事にしたいと思う人の本気度が問われているといえよう。やる気があれば必死で人脈を開拓するだろう。目立たない求人を見つけるための工夫も求められる。そういう意味では、競技同様に実力本位の世界であり、即戦力として期待される部分が大きいという面も理解できる。それゆえ、「スポーツが好き」という理由だけで応募する人材は敬遠されるのだ。

一方で、スポーツの発展に貢献し、そのすばらしさを伝えたいという願いが、スポーツを仕事にする人たちのモチベーションになっているという純粋な面ももちろんある。さまざまな顔を持ち、魅力のつきないスポーツ業界の姿をぜひのぞいてみていただきたい。

ライター画像
毬谷実宏

著者

池上 達也(いけがみ たつや)
ディスタコンサルティング株式会社スポーツゲート事業部事業部長。1973年生まれ。長崎県出身。青山学院大学経済学部卒。大手総合人材会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)、アスリートマネージメント会社プロフェッショナル・マネージメント(後のジャパン・スポーツ・マーケティング)などを経て、2008年に、スポーツビジネス企業に転職、就職したい人材を、採用したい企業に紹介する支援を専門に行う「スポーツゲート」を立ち上げ、現在に至る。

本書の要点

  • 要点
    1
    優秀な人材を獲得し、スポーツビジネスを強化することが、日本のスポーツを強くすることにつながる。
  • 要点
    2
    一口にスポーツ業界といっても、その役割や仕事の内容は多岐にわたる。
  • 要点
    3
    スポーツ業界の求人は目にすることが少ないが、一般業界と同じく即戦力となる人材が求められている。

要約

スポーツを仕事にすることとは?

一回性というスポーツの魅力
Ridofranz/iStock/Thinkstock

本書における「スポーツを仕事にする」とは、社会人や学生が、転職や就職を通じてスポーツビジネスの職に就くことを意味する。もちろん、プロスポーツ選手がプレーすることで、その対価として収入を得ることも、スポーツを仕事にしているといえる。

しかし、スポーツに関わりながら収入を得る方法は、それだけではない。スポーツ関連事業を展開するスポーツ企業に入社して、そこで働く。これも、スポーツに関わりながら収入を得る選択肢の1つだ。それがまさに本書がスポットライトを当てたポイントである。

スポーツの魅力はやり直しのきかない、「一回性」にある。多くの人がその一回に心を揺さぶられ、魅了される。そうした中で、スポーツを仕事にする魅力とは、選手たちと「ともに戦うことができること」だ。チームスタッフや対戦相手のデータ分析を行うデータアナリスト、選手が試合で使う用品を提供するスポーツメーカー、選手やチーム動向をファンに届けるスポーツメディア。多くのスポーツビジネス分野のプレーヤーがいる。間接的ながら選手たちとともに戦い、勝つ喜びや負ける悔しさを分かち合う――。これがスポーツを仕事にする最大の魅力である。

スポーツビジネスの強化が日本のスポーツを強くする

スポーツビジネスを強化するポイントは、優秀な人材の獲得にある。なぜなら、ビジネスにおけるさまざまな課題を解決するのは、最終的には人だからだ。

肝となるのは、スポーツビジネスに就いている人たちが、さらに高い成果を求めて邁進していくこと。さらには、他業界で働いている優秀でスポーツビジネスへの情熱をもった人材が、スポーツ業界に入ってくるようにすることだ。実際に、他業界で活躍してきた人材が、それぞれの業界で培った経験や実力を活かしている例は多い。スポーツ業界でさらなる活躍をし、任された領域を着実に変えていくのだ。一人一人の活躍が積み重なることで、やがて大きなうねりとなり、日本のスポーツビジネスは確実に変わっていく。そして、これこそが日本のスポーツを強くするといえる。

ゴールデン・スポーツイヤーズは最大のチャンス
efks/iStock/Thinkstock

日本はこれからの約3年間で、世界に類を見ない「ゴールデン・スポーツイヤーズ」の到来を迎える。2019年に「ラグビーワールドカップ日本大会」、2020年に「東京オリンピック・パラリンピック」、そして2021年に「ワールドマスターズゲームズ関西」。3年連続で、世界を代表するスポーツ大会が開かれるからだ。東京オリンピックは50年ぶり。ラグビーワールドカップはアジア初の開催。そして、ワールドマスターズゲームズが同一国でオリンピックと連続開催になるのは世界初だ。

これからの数年を見すえて、スポーツ関連の多くの企業で、新たなプロジェクトやサービスが次々と始動している。新たな人材の需要も高まる一方だ。国もスポーツ産業を成長産業の1つと位置づけている。現に、2012年に5・5兆円だった市場規模を、2025年までに15兆円に引き上げる方針を発表している。こうした面からも、働く人材の需要が大幅に増加することが見込まれる。

【必読ポイント!】 スポーツ業界とはどんな業界なのか

スポーツ業界に関わる人の幅広さ

スポーツ業界を代表する業種の1つが、スポーツメーカーだ。競技に必要な用具を開発、製造、販売する。アシックス、ミズノ、ナイキなどに代表される大手総合メーカーから、卓球や水泳など、特定の競技に特化した専門メーカーまで、様々なタイプがある。最近は「アスレチック」と「レジャー」を組み合わせたアスレジャーブームが起きている。アスレジャーブームやランニングブームのようなトレンドは、スニーカーやウエアなどのスポーツ用品の需要を押し上げている。

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要約公開日 2018.08.11
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