TikTok 最強のSNSは中国から生まれる

未 読
TikTok 最強のSNSは中国から生まれる
ジャンル
著者
黄未来
出版社
ダイヤモンド社 出版社ページへ
定価
1,650円(税込)
出版日
2019年10月30日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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TikTok 最強のSNSは中国から生まれる
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黄未来
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定価
1,650円(税込)
出版日
2019年10月30日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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レビュー

TikTokというサービスを聞いたことがあるだろうか。15秒~1分程度のショートムービーを投稿できるSNSで、ダンス動画などがよく投稿されている。とはいえ名前は聞いたことがあっても、実際に利用したことがない人のほうが多いかもしれない。「最近の若者向けのよくわからないアプリ」というイメージを持っている人もいるだろう。ところがこのTikTok(中国名:Douyin)が、発祥の地・中国で爆発的な流行を見せているのだという。中国では決して若者だけのものではなく、老若男女が動画に釘付けらしい。一体何が起きているのだろうか。

政府による情報統制が行われてきた中国には、世界的なIT先進企業であるGAFAが参入できなかった。そのため国内で独自のスタートアップが多数出現し、「チャイナ・イノベーション」と呼ばれる独自の進化を遂げたのだという。そこでいま最も注目されているSNSが、拡散性が高く、ユーザー層の広いTikTokというわけだ。

中国では、動画を通じて多くの人に影響力を持つ「インフルエンサー」がすでに多数登場している。インフルエンサーと企業がタイアップして行う「インフルエンサー・マーケティング」も盛んで、その勢いは日本の比ではない。

「新しいアプリはよくわからないから」と敬遠している場合ではないはずだ。ぜひ本書を読んで、SNSに関する情報を整理・アップデートしてみてほしい。

池田明季哉

著者

黄未来(こう みく)
1989年中国・西安市生まれ。6歳で来日。南方商人である父方、教育家系である母方より、華僑的ビジネス及び華僑的教育の哲学を引き継ぐ。早稲田大学先進理工学部卒業後、2012年に三井物産に入社。国際貿易及び投資管理に6年半従事したのち、2018年秋より上海交通大学MBAに留学。現在は中国を本拠地として、バイトダンス北京本社に勤務。オンラインサロン「中国トレンド情報局」も主宰。

本書の要点

  • 要点
    1
    世界の流れとして、テキストから動画へと移行していっている。若い世代はすでに学習や情報収集にも動画を活用している。
  • 要点
    2
    中国だとTikTokは若者向けサービスではなく、あらゆる層が「動画」に親しむようになっている。
  • 要点
    3
    人気のコンテンツは「映え」から、日常を切り取った力の抜けたものへとシフトしている。
  • 要点
    4
    TikTokでは15秒~1分と短い動画が主流だ。この短さが見る側、投稿する側、双方のハードルを下げ、コンテンツの多様性を生んでいる。
  • 要点
    5
    中国ではショートムービーを利用したインフルエンサー・マーケティングが主流になっている。今後は日本でも注目されるだろう。

要約

【必読ポイント!】 世界を席巻するTikTok

中国全土が「動画の国」化している

スマートフォンの普及とともに、中国社会を一変させた2つの革命がある。キャッシュレス革命と動画革命だ。中国では多くの人が空き時間に短尺の動画を見て過ごしている。これは特定の地方や都市だけでの現象ではない。中国全土が「動画の国」と化しているのだ。

中国には政府による情報管理システムがあり、外国のサービスやコンテンツが遮断されてきた。これによりGAFAを始めとするIT先進企業は、中国への本格的な進出を断念していた。その結果、中国では14億人という世界最大の市場で無数のスタートアップが登場し、独自のイノベーションが進んでいったのだ。その「チャイナ・イノベーション」の最前線に存在するのが、動画配信サービスであるTikTokである。

すべてが「動画化」する
metamorworks/gettyimages

TikTokは中国のメディア企業であるバイトダンス社が運営する、15~60秒のショートムービーを投稿・閲覧できるSNSだ。日本では「若者だけが使っているSNS」というイメージが強い。

しかしTikTokは、FacebookやTwitter、Instagramなどを超えて世界最強のSNSとなる可能性を持つサービスだ。

いま世界的に、テキストから画像・動画へとシフトする流れがある。文字よりも画像、画像よりも動きのある動画と、人々はより情報量の多いコンテンツを求めている。すべてのサービスが動画化していく流れがすでに発生している。

テキストは「ポータビリティ」、つまり持ち運びやすさにおいて動画よりも優位性を保っていた。だがスマートフォンの普及により、それも崩れた。またテキストのもうひとつのメリットとして、「時間のコントロール権がユーザーにあること」も挙げられていたが、これも動画の編集技術の高まりや倍速再生機能の充実などにより解消されつつある。動画がテキストの強みを奪っているのである。

中国では、すでに動画がテキスト優位だった分野に侵食している。学習や商品レビューなどの情報収集の際には、当たり前のように動画が利用されている。

「検索型」から「レコメンド型」へ
Mykyta Dolmatov/gettyimages

TikTokの最大の特徴は、「レコメンド機能」だ。ユーザーは、自分で見たい動画を探す必要すらない。何もしなくとも、コンテンツが次々と表示されるからだ。これはバイトダンス社が誇る、強力な機械学習技術によるものである。視聴者ごとに最適化された動画がレコメンドされ、しかもユーザーがTikTokを使えば使うほど精度が高まる。

TikTokは検索よりもレコメンドに振り切った珍しいサービスだ。業界全体でも、「検索」から「レコメンド」へと変化する動きが起きている。

TikTokのレコメンドのシステムは、「クリエイターのフォロワー数によらず、優良なコンテンツを評価し、適切なユーザーに届ける」という理念で設計されている。そのためフォロワーがまったくいないクリエイターにも、注目されるチャンスがある。これはフォロワー数が絶対的な意味を持つ他のSNSとは大きく異なる。この強力なレコメンド機能の背景には、バイトダンス社がニュースアプリで培った機械学習技術がある。GAFAのサービスだと、レコメンド技術はサービスの補助的な機能にすぎなかった。だがTikTokでは、レコメンド技術そのものが会社の主軸となっている。

世界を飲み込むTikTok

リフトアップが日本での課題

新しいサービスを開始する際は、まず新しいものに親しみやすい10代のユーザーを取り込むのがセオリーだ。若い層で流行すればビジネスとして注目が集まるようになり、上の世代も取り込める。これをリフトアップと呼ぶ。

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