女性管理職の教科書

仕事にも人生にも自信がもてる!
未読
女性管理職の教科書
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女性管理職の教科書
出版社
同文舘出版

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出版日
2016年11月30日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

管理職に打診された――。昇進はこれまでの仕事ぶりを評価された証であり、喜ばしいことである。しかし「女性は嬉しさよりも、戸惑いや不安をより感じる傾向がある」と著者はいう。

要約者自身の経験を振り返っても、まさにその通りであった。前職でマネージャーになった当初は、プレッシャーと不安で押しつぶされそうになりながら、右往左往していたように思う。

また特に女性の場合、プライベートと仕事を完全に切り離して考えることは困難といえる。出産・子育てを行う場合は一度ブランクが空く可能性が高い。仕事との両立がどれほど大変かわからないため、管理職に踏み出すときには相当な勇気がいる。周囲の協力は得られるのか。保育園をスムーズに利用できるのか、と心配はつきない。

著者は、「管理職1年生」の女性や管理職の壁にぶち当たって自信をなくしかけている女性に向けて、あたたかいエールを送る。自身もかつて管理職として悩み、葛藤した経験をもつ。そうした経験と長年のコーチング経験をもとに、女性管理職の悩みとその対処法を丁寧に紹介している。

日本では女性管理職はまだまだ少数である。それゆえ周囲に相談できる人や、目指すべきロールモデルがいないというケースもあるだろう。本書はそんな方にとって心強い「教科書」になってくれるだろう。「もっと早く出合いたかった」と思える一冊だ。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

小川由佳(おがわ ゆか)
株式会社FAITH代表取締役
津田塾大学卒業後、メーカーで物流業務に携わる。1999年、サプライチェーンマネジメント(SCM)のソリューションプロバイダーに入社。コンサルタントとして、クライアント企業に対するSCMソフトウェアの導入や、それに伴う業務改革のコンサルティングを実施。社内初の女性マネージャーの1人として、プロジェクトマネジメントも行なうようになる。マネージャーとして奮闘する中、クライアントや部下の変化、成長に携わることに大きな喜びを感じ、人材育成分野に関心をもつ。その後、メーカーのSCM部門での管理職を経て、2006年、コンサルティング会社へ転職。コンサルタントとして、クライアント企業における業務改革や組織変革の支援を行なう中、クライアント企業のリーダー育成に従事。研修やコーチングを通じて、育成に関わったリーダーの数は1000人以上。
2011年に独立し、各種研修プログラム開発および研修講師として活動中。
また、若手管理職や働く女性に対するパーソナルコーチングを実施。専門的な知識・スキルだけでなく、管理職、コンサルタント、講師、コーチ、そして、働く女性&ワーキングマザーとしての経験を詰め込んだ研修やコーチングは、「わかりやすい」「自分に自信をもてるようになった」と好評を得ている。

本書の要点

  • 要点
    1
    「管理職に打診される」ということは、あなたの働き方や成果が認められた証拠だ。今の時点で自信がなくても、思いきってやってみよう。
  • 要点
    2
    管理職になってもプライベートを諦める必要はない。管理職になると自分でコントロールできる範囲が広がるため、むしろ両立しやすい側面がある。
  • 要点
    3
    管理職の仕事は「チームで成果を出すこと」「人のマネジメント」である。「自分一人でがんばる」ことを手放し、実務は部下に任せていこう。
  • 要点
    4
    夫が協力的でなくとも悲観しないようにしたい。自分のあり方次第で相手は変わっていくものだ。

要約

管理職になってしまった!

私に管理職なんてムリ!

管理職を打診されたら、男性は素直に喜ぶ人が多い。一方女性は「私で大丈夫?」「私にはムリ」と、不安や自信のなさから尻込みする人が多いようだ。

「管理職に打診される」ということは、会社や上司から「管理職に育つ可能性がある」と考えられている証である。そして、成果のみならず、成果に至るプロセスが評価されている。目標に対してどう行動したか、どのように周りに働きかけたか、問題が生じたときにどう対処したか……。管理職の素養があるからこそ、会社側はあなたに声をかけたのである。

また、昇進したらすぐに「管理職として活躍する」のではなく、「管理職として育つ」ことを期待されているという点を覚えておきたい。管理職という職務に対して努力していくことこそが、打診された時点で求められている。

まずはここまでやってきた自分を認めよう。それが自分らしく、管理職という役割を楽しむための第一歩である。

人を引っ張っていくタイプじゃない!
metamorworks/gettyimages

リーダーには「こうあるべき」という、唯一無二のスタイルがあるわけではない。著者が初めて管理職になったとき、「あるべきマネージャーの姿」を体現するべく、リーダーシップの本を読み、リーダー研修を受講した。しかし逆に、「私にはそんな風にできない」「人を引っ張っていくタイプではないのに」と、落ち込む日々が続いたという。

人の性格や強みはそれぞれで、その人に合ったリーダーシップのスタイルがある。40年にわたりリーダーシップ研究をしている心理学者のドナルド・O・クリフトンによると、すぐれたリーダーの共通項は、自分の強みを正確に把握していることであり、リーダーを定義する決定的な特質はないという。

著者はどちらかというと、「部下に助けてもらう」タイプのリーダーである。誰もがカリスマリーダーになる必要はない。自分なりのリーダーシップを見つけることが大切である。

プライベートは諦めないといけない?

ある程度キャリアを重ね、管理職への声がかかりやすくなる年齢は、結婚・出産・子育てというライフイベントを考える時期である。なかでも妊娠・出産には適齢期(出産可能年齢)があるため、管理職のオファーを断ろうという気持ちも理解できる。子育ての大変さがわからないために、不安に拍車がかかってしまう。

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要約公開日 2021.07.13
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