人間関係のスキルを磨こうと思うなら、「人」に興味を持つことが重要だ。「好きこそものの上手なれ」と言われるように、私たちは興味のあることしか学習できないからだ。
ポルトガルにあるアベイロ大学の実験では、女子学生72名に男性の顔写真を見てもらい、半数には「長く付き合う相手としてイメージして」と伝え、もう半数には何の指示も出さなかった。
実験後に男性の顔を思い出してもらうと、「長く付き合う相手」とイメージしたグループのほうが、顔をしっかり記憶していた。
人気のあるホテルの女将さんは、たとえ数年前に一度しか会ったことのない客でも、名前と顔をしっかり覚えている。だからこそ客は嬉しくなり、そのホテルにまた来ようと思うのだ。
これは職場でも同じことが言える。アルバイトや接点の少ない受付の人など、どんな人にでも興味を持ち、顔と名前をきちんと覚えよう。すると、仕事は今以上にうまくいくようになるはずだ。
相手は本心から笑ってくれているのか、それとも社交辞令なのか。それを見抜くには「笑顔の大きさ」に注目するといい。
ロンドン大学のエヴァ・クラムヒューバーは、笑ったときにどのくらい筋肉が動くかを調査した。参加者には顔の筋肉を測定する装置をつけてもらい、コメディ映画を見て心から笑っているときと、作り笑いをしたときの笑顔を比較した。すると、「心からの笑顔」のほうが、顔の筋肉は2倍以上も大きく動いていることが判明した。目じり近くの筋肉に至っては、3倍もの開きがあった。
取引先にお土産を持って行く機会があれば、相手の笑顔を観察しよう。微妙な笑顔で「ありがとう」と言われたら、あまり喜んでいない可能性が高い。その場合は、次は別のものに変えるなど、対策をとったほうがよさそうだ。
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