道ばたの石ころ どうやって売るか?
道ばたの石ころ どうやって売るか?
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道ばたの石ころ どうやって売るか?
出版社
出版日
2025年05月06日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「どうして自分のアイデアは、こんなにも平凡なんだろう」

本書は、そんな悩みを抱えた人に刺さる一冊だ。一生懸命考えてもユニークな発想が出てこないのは、頭の回転が遅いからでも、才能やセンスがないからでもない。ただ「視点の変え方」を知らないだけなのである。

本書で紹介されるのは、良いアイデアを生むためのインプット習慣と、誰でも再現可能な「視点のずらし方」のテクニックだ。日常的にインプットを蓄積した上で、極端に振り切る、要素を分解する、連想する、既存の構造をマネする、他人のアイデアに便乗する、異質なものを掛け合わせる、偉人になりきる――この7つのテクニックを使えば、道ばたの石ころでさえ売るアイデアが生まれるという。

著者の野呂エイシロウ氏は、『ザ!鉄腕!DASH!!』や『奇跡体験!アンビリバボー』など、数々の人気番組に携わってきた放送作家であり、戦略的PRコンサルタントとしても活躍している。常に“面白さ”と“成果”を求められる現場で磨かれた発想術には、誰もが感嘆するはずだ。

新商品企画、広報、広告、企画書づくりなど、アイデアが求められる仕事に携わる人はもちろん、会議で気の利いた意見を言えるようになりたい人にも、本書はおすすめだ。ユニークな発想は、センスではなく視点によって生むことができるのだと気づかせてくれる。

まずはいったん立ち止まり、「自分なら道ばたの石ころをどうやって売るだろう?」と考えてから、本書を読み進めてみてほしい。

著者

野呂エイシロウ(のろ えいしろう)
1967年愛知県生まれ。愛知工業大学卒。放送作家・戦略的PRコンサルタント。
『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で放送作家デビュー。『ザ!鉄腕!DASH!!』『奇跡体験!アンビリバボー』『ズームイン!!SUPER』などにたずさわる。常に「面白い企画」を求められる状況に身を置いた経験から、独自の「視点を変える」思考法を編み出す。放送作家と並行して“戦略的PRコンサルタント”として活動中。一部上場企業をはじめ、数多くのクライアントの課題解決をサポートしている。

本書の要点

  • 要点
    1
    真剣に考えても平凡な意見しか出てこないのは、才能ではなく「視点」の問題だ。視点を変えさえすれば、誰でもユニークな発想ができるようになる。
  • 要点
    2
    ユニークな発想には、多様な情報を日常的にインプットする習慣が欠かせない。
  • 要点
    3
    「極端振り切り視点」「分解ずらし視点」「連想ゲーム視点」「構造のコピー視点」「便乗視点」「クロス視点」「偉人視点」は、視点を即座に切り替えることができ、アイデアも生まれやすくなるテクニックだ。

要約

ユニークな意見を言える人は、「視点を変える」のがうまい

発想に才能はいらない

真剣に考えているのに、ありきたりで凡庸な意見しか出てこない――。そう悩んだ経験はないだろうか。

一方で、あなたの身近には、ユニークでハッとさせられる意見を発する人がいるはずだ。

そうした人々が、生まれつき頭の回転が速いとか、特別にクリエイティブな才能に恵まれているとは限らない。

本当に重要なのは、「視点を変える」ことである。このコツを身につけさえすれば、あなたも、ユニークで、課題解決につながるようなアイデアが湧いてくるようになる。

視点を変えるには「インプット」が不可欠

なぜ「女子高生向けの販促企画」は難しいのか
PonyWang/gettyimages

「女子高生向けの販促企画を考えてください」

あなたが女子高生に近い属性であれば、こんな依頼にも苦労せずに取り組めるかもしれない。しかし、それ以外の人は、難しさを感じるのではないだろうか。

その理由は明快である。女子高生の間で何が流行しているのか、どんなものを好み、何を嫌うのかといった情報を持ち合わせていないからだ。

ところが、十分な情報があれば、流行を素直に取り入れることもできるし、流行に独自の要素を加えて展開することもできる。あるいは、「逆張り」によってあえてまったく異なる方向性を提示することも可能だ。

つまり、他人とは異なる視点を得るために必要なもっとも基本的な行動は、情報のインプットを増やすことなのである。

忙しくてもインプットを増やすコツ

忙しい日々の中でインプットを増やしたいのであれば、普段の生活で得られる情報に「ケチ」になろう。

たとえば、コンビニやスーパーのお菓子コーナーに立ち寄った時。

著者はスナック菓子のネーミングに注目し、「『ぞっこん』とか「神」とか、今まで使われなかったワードが使われ始めてインパクトがあるな」「『サクサク』とかありがちな言葉はもう使われていないんだな」と気づく。

「いつの間にか、グミの種類がこんなに増えている。なぜ、グミがこんなに人気なんだろう」と疑問を持ち、帰宅後に調べることもある。

日常生活のあらゆる場面に、学びの種は潜んでいる。商品名に疑問を持つ「ケチ」な視点さえあれば、情報はいくらでも拾える。そして、得た情報を深掘りする習慣を身につければ、自然と周囲から一目置かれる存在になっていくはずだ。

仕事に関係ない情報にも触れる

本書が推奨するインプットは、仕事に直結する情報にとどまらない。一見役に立たなさそうな分野にもアンテナを張っておく必要がある。

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要約公開日 2025.06.19
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