真剣に考えているのに、ありきたりで凡庸な意見しか出てこない――。そう悩んだ経験はないだろうか。
一方で、あなたの身近には、ユニークでハッとさせられる意見を発する人がいるはずだ。
そうした人々が、生まれつき頭の回転が速いとか、特別にクリエイティブな才能に恵まれているとは限らない。
本当に重要なのは、「視点を変える」ことである。このコツを身につけさえすれば、あなたも、ユニークで、課題解決につながるようなアイデアが湧いてくるようになる。
「女子高生向けの販促企画を考えてください」
あなたが女子高生に近い属性であれば、こんな依頼にも苦労せずに取り組めるかもしれない。しかし、それ以外の人は、難しさを感じるのではないだろうか。
その理由は明快である。女子高生の間で何が流行しているのか、どんなものを好み、何を嫌うのかといった情報を持ち合わせていないからだ。
ところが、十分な情報があれば、流行を素直に取り入れることもできるし、流行に独自の要素を加えて展開することもできる。あるいは、「逆張り」によってあえてまったく異なる方向性を提示することも可能だ。
つまり、他人とは異なる視点を得るために必要なもっとも基本的な行動は、情報のインプットを増やすことなのである。
忙しい日々の中でインプットを増やしたいのであれば、普段の生活で得られる情報に「ケチ」になろう。
たとえば、コンビニやスーパーのお菓子コーナーに立ち寄った時。
著者はスナック菓子のネーミングに注目し、「『ぞっこん』とか「神」とか、今まで使われなかったワードが使われ始めてインパクトがあるな」「『サクサク』とかありがちな言葉はもう使われていないんだな」と気づく。
「いつの間にか、グミの種類がこんなに増えている。なぜ、グミがこんなに人気なんだろう」と疑問を持ち、帰宅後に調べることもある。
日常生活のあらゆる場面に、学びの種は潜んでいる。商品名に疑問を持つ「ケチ」な視点さえあれば、情報はいくらでも拾える。そして、得た情報を深掘りする習慣を身につければ、自然と周囲から一目置かれる存在になっていくはずだ。
本書が推奨するインプットは、仕事に直結する情報にとどまらない。一見役に立たなさそうな分野にもアンテナを張っておく必要がある。
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