商談前の準備編
挨拶での印象付け
稼げる営業は、相手と初めて会った時の印象を重視する。ろくに挨拶できないまま、なんとなくで説明しはじめると、相手は不安を感じ、それ以上の説明を聞く気になれないからだ。ダメ営業時代の著者は、準備ゼロでアドリブの挨拶をしていた。「こんにちは」だけで、ほかに何も話す内容を思いつかないこともあった。出会いを軽視するこうした態度では取り合ってもらえず、成績は最低だった。一方で、ある生命保険会社でトップクラスの成績を誇る女性は、次のような挨拶をする。「はじめまして、武田と申します。主婦ならではの視点で保険を提案させて頂きます」「私が必要ないと判断した場合には、お客様が入りたいと言っても保険に入らせません」嫌がられることの多い保険の営業で、この女性は嫌がられることがほとんどないという。いかにして挨拶の瞬間からお客様の心をつかめるかを徹底的に考え、準備しているからだ。「どう印象付けるか」考え抜いたメッセージを準備して、出会いに臨もう。
最低でもプランDまで用意する

最初の提案がうまくいかなかった時のために、もう1つプランを準備する営業パーソンは、それなりにいるだろう。しかし、2つでは準備量が足りていない。稼げる営業は、バックアッププランも含めて、提案するプランを十分に準備している。なかには6つのプランを準備していた人もいる。営業所のマネージャーとして部下の育成もしているとある人物は、部下の多くが「プランA」のみで商談に臨んでいることに気づいた。そこで「プランB」まで準備するように指示したが、期待以上の効果は得られなかったため、さらに「プランD」まで用意させた。すると、プランBまでダメでも「あと2つあるしな」と考えられるようになり、心の余裕が生まれたことで、結果を出せるようになったという。営業に慣れてきた時ほど注意が必要だ。「この程度準備していれば大丈夫だろう」と油断していると、不測の事態に見舞われる。バックアッププランの不足が失敗の最大の要因になるのだ。最低でも4つのプランを用意し、万全な状態で商談にあたろう。
仕事は「先行逃げ切り」
稼げる営業は、「先行逃げ切り」の段取りを組み、前倒しで仕事を行う。ダメ営業時代の著者は段取りが甘く、月の20日を過ぎてから焦ってアポイントを取り、月末には特別条件を提示して拝み倒していたという。