世界一の投資家はこうしてつくられた
価値へのこだわり

バフェットが初めてビジネスに触れたのは、なんと6歳だ。6本のコーラを25セントで仕入れて1本5セントで売ったり、祖父の雑貨屋のソーダやガムを売り歩いたりした。それも家が貧しかったわけではなく、「『お金が増えていく』のを見るのが好き」だったからだ。こうして蓄えた資金が、投資のための「雪の玉」となった。「投資に限らず何かで成功するためには常に『先頭を行く』ことが大切」なのである。バフェットが小さいころからお金持ちを目指していたのは、自立したかったからだという。「自分のために働くのが一番。他人に指図されたくない」と語るのはそのせいだ。お金が目的なのではなく、「最終的には『社会に返す』」のがバフェットの生き方である。バフェットは、『1000ドル儲ける1000の方法』という本を10歳のころに読み、「『幸運を待つのではなく、自ら動き始める』ことと、『複利の考え方』について」学んだ。そうして「35歳までに100万長者になる」ことを目指すようになった。この運用の価値と同時に、今日の1ドルも無駄にせず運用していく節約の意味についても、複利の学びから得ている。バフェットは「決めたルールに関してはとことん守り抜く」。16歳くらいのとき、みずから作成した予想紙を競馬場で販売し、勝ち馬を予想するために何百冊という本や古い予想紙を読みこんで、次のような2つの原則を見出した。「1レースだけで帰る者はいない」「損するレースに賭けなくてよい」。そして、「きちんと分析して賭けていない人間が多い集団に加わるほどよい」ことも学んだ。これはそのまま投資にもいかされている。感情や欲望に振り回されず、「やめどきが肝心」「負けそうな市場には乗らない」「価格の読み間違いをしている投資家が多い銘柄に投資」というルールを忠実に守っているのだ。だからこそ、バブル景気においても派手な人気銘柄の「価格」には目もくれず、「価値」にこだわることで成功を手にしつづけ、「世界一の投資家」となった。
【必読ポイント!】 投資に向けた考え方
長期的なものの見方
長期保有は、バフェットの投資の特徴のひとつだ。「長期でものを見る」だけでなく、「事業の一部を所有する」姿勢で投資している。経済学者のベンジャミン・グレアムはバフェットに「株式市場は短期的には投票計、長期的には重量計」ということを教えた。常に企業価値を反映しているとは限らない時価総額ではなく、業績、価値の積み上げがわかる「重量計」に注目して、本当に優れた企業に投資をする。「喜んで10年間株を持ち続ける気持ちがないのなら、たった10分でも株を持とうなどと考えるべきですらない」との考えだ。








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