「×(かける)」の重要性
知の組み合わせは面白い
激しい変化の荒波にさらされる現代、日本人に求められているのは「個人のイノベーション」といえる。今後は、新しいものの発想力をもって挑戦していくしかない。こうした発想力は「知の探索(=ハイブリット思考)」といえるだろう。新しいアイデアは、既存の知と既存の知の掛け合わせによって生み出されていく。
人の認知には限界があり、つい自分が観測できる範囲で知を組み合わせがちになる。これからの時代、一つの専門性だけではなく異なる分野の知見・アイデアを組み合わせることが不可欠といえる。「知の探索」はアメリカやヨーロッパの研究分野において重要な概念で、日本でも浸透しつつある。
「離れた知」の突飛な組み合わせは面白い。本書を読めばそれが理解できる。そうした組み合わせにも驚くような共通点や新たな視点があることが、パーソナリティを務める入山章栄氏のファシリテーションによって明らかになっていく。「面白い」と感じた組み合わせを楽しむからこそ継続的に新しいアイデアが生まれ、その結果として仕事やキャリア形成に活かせるのだ。浜松町イノベーションカルチャーカフェ(浜カフェ)はまさにそんなハイブリッドな対話の場である。
宇宙×カブトムシ
ふたりの石田

石田真康氏(宇宙の石田、以下石田〈宇〉)は宇宙産業を発展させる活動をしている。石田〈宇〉氏はスペースタイドという組織を立ち上げていて、「宇宙ビジネスカンファレンス」では宇宙に関わる人が一堂に会して議論する。
一方、石田陽佑氏(カブトムシの石田、以下石田〈カ〉)は「TOMUSHI(以下トムシ)」の代表で、カブトムシの可能性を広げようとしている。




















