一生お金に困らない「華僑」の思考法則

どんなところでも稼げるようになる46の習慣
未読
一生お金に困らない「華僑」の思考法則
一生お金に困らない「華僑」の思考法則
どんなところでも稼げるようになる46の習慣
著者
未読
一生お金に困らない「華僑」の思考法則
著者
出版社
日本実業出版社
出版日
2013年11月01日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「華僑」と聞いて、みなさんはどのようなイメージを持たれるだろうか。私は中学・高校の授業で「華僑」について習った際、「中国・台湾・香港・マカオ以外の諸外国で活躍する中国人の呼び名」であったと教わり、貿易などのビジネスで莫大な富を築いている強い印象を受けた。経営や金稼ぎがやたらと得意なイメージを持っていた。

本書のタイトルを見たとき、私は当時の記憶が蘇り、華僑のビジネスマインドは一体どのようなものなのか、非常に大きな興味を持った。本書は日本人である著者、大城太氏が華僑のA氏に弟子入りした経験をもとに、著者が日本人も学ぶべき「46の華僑の教え」を記した書籍である。そのエッセンスの多くは著者も語る通り、みなさんにとって特段珍しい言葉とは言えないかもしれない。

しかし、こうしたエッセンスを私たち個人が実践に落とし込めるかどうかは、その言葉を語る文脈に共感できるかどうかに大きく依存していると私は考える。たとえば、エッセンス13番に「利益は目先のお金だけではない」というものがあるが、この言葉と類似した文言はこれまでのビジネス書でも見たことがあるに違いない。だが、実際にこれを常に意識してビジネスをしている人は少ないだろう。

本書は「華僑」という切り口で語られている点に、新鮮さを感じる。華僑の視点が自分に身に付いていく感覚を覚えたのであれば、本書を手に取り46の教えをご覧いただきたい。

著者

大城 太
複数の会社経営を行うかたわら、社団法人理事長、ベンチャー企業への投資を行っているビジネスオーナー。外資系保険会社、歯科用医療機器メーカーを経て独立するにあたり、華僑社会で知らない者はいないと言われる大物華僑に師事。不良債権の回収や、リヤカーでの物売り等の過酷な修行を積み、日本人で唯一の弟子として「門外不出」の成功術を直伝される。独立後、社長1人アルバイト1人の医療機器販売会社を設立し、初年度より年商1億円を稼ぎ出す。現在は「華僑の教え」を受けた第一人者として、一生お金に困らない思考と行動法則を体系化。

本書の要点

  • 要点
    1
    華僑のビジネスに失敗はない。失敗を生まないためには14のエッセンスが存在するが、その中でも、「徹底的にスピードを高めること」、「自分にとっての重要人物に合わせてスケジュールをコントロールすること」、「考えずに、とにかく手を挙げすぐに行動に移すこと」の3点はとりわけ著者が重要であると語っている要素である。
  • 要点
    2
    人をコントロールするのに長けた華僑は、独自のコミュニケーション術を持ち合わせている。ここには、「大きな声を出さず、敢えて小さな声を活用すること」、「相手の目ではなく、口を見て事の真意を探ること」、「相手に対し、なぜなのかと問い詰めてはいけない」など9つのエッセンスが存在する。

要約

日本人の著者が華僑に弟子入りしたわけ

ただならぬオーラを醸し出す華僑A氏との出会い
karam miri/iStock/Thinkstock

本書によれば、大城氏は「ベンツに乗りたい、それもツーシーターのSL。サラリーマンでは一生無理だ。だから社長になる」、と学生時代から思っていたらしい。京都産業大学に入学し、教師を志すものの教員採用試験は不採用。卒業後は外資系の保険会社に営業職として就職。次に、その顧客であった歯科用医療機器のトップメーカーに転職した。33歳で華僑A氏と出会い、その1年後には起業。現在ではアジア市場シェアナンバーワンを目指す医療機器メーカーを経営している。

大城氏は、最初から華僑の師を探していたのではなく、キャリアによらずサバイバル力で勝負している中国人のビジネスパートナーを探していたようだ。どこまでも学歴や肩書が付きまとう日本社会では、10代・20代で勝負がついており、自分の経歴ではどうあがいても逆転できない、と彼は考えていた。

その後、彼はサラリーマンをしながら、出会った中国人と組んでいくつかのビジネスにチャレンジしたものの、誰と組んでもある日突然連絡が取れなくなってしまう・・・ことごとく裏切られたという。そんな中、彼は後に師となる華僑A氏と出会った。大城氏の言葉によれば華僑は、「日本に土着している華僑は日本社会の中での信用を考えてビジネスをしています。失敗したら本国に逃げ帰ればいいと考えている腰掛の在日中国人とは覚悟が違うのです」、という。

A氏は出会った時からただならぬオーラを醸し出しており、大城氏は弟子入りを強く希望した。しかし、彼はA氏に2年間ずっと断られ続けた。A氏は「自分の力でお金を稼いだことがない人とは仕事はできない」と彼を突っぱね続けたのだ。

その後彼はサラリーマンを辞め、自分で小さなビジネスを始め、そこそこの収益を獲得することに成功した。そして、彼は「自分でお金儲けができるようになりました。1年後には独立します。どうか修行させてください。」と、A氏に頼み込んだところ、「へぇ、じゃあいいよ。明日から来て。」と、意外にもあっさりと弟子入りが認められたという。そこから彼の修行は始まった。

彼は理不尽に耐えるのも修行のうちで、一見無意味なシゴキがあるのだろうと、日本的な修行シーンを想像していたようであるが、合理主義の華僑は意味のないことをしなかった。現実の修行内容は師匠に命じられた仕事をすること。実戦あるのみ。過去の実績にかかわらず、とりあえず何でも任せてみるのが華僑流。使い走りから飛び込み営業、上場企業との大口取引までいろいろな仕事を経験したという。

本書はこの後、彼がA氏のもとで学んだ華僑流の働き方、考え方を46のエッセンスに分けて解説する形式となっている。章立てとしては大きく5段階構成に分かれており、①失敗という言葉のない「仕事の進め方」(14エッセンス)、②すべてをビジネスに活かす「コミュニケーション術」(9エッセンス)、③基本は人間関係!人脈作りと人付き合いの極意(6エッセンス)、④大きく違う「お金」に対する考え方(9エッセンス)、⑤非常識かつ合理的な「時間」の使いこなし方(8エッセンス)、という構成である。本ハイライトでは①と②のうち、特に著者が力点を置いて語っているエッセンスをいくつか紹介したい。

【必読ポイント!】失敗という言葉のない「仕事の進め方」

絶対にひとりでビジネスをしない
JimmyFam/iStock/Thinkstock

華僑A氏は「たとえ千年生きても空を飛べるようにはならないね。でも300年生きれば、いまのダイ君(大城氏)レベルでも10億くらいの資産は作れる。だったらいま、スピードを上げればいいだけ」、と語ったという。

この言葉には大きく二つの教えが含まれている。一つ目は、「自分のスピードを上げろ」ということだ。

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要約公開日 2013.11.16
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