ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか

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ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか
出版社
定価
1,760円(税込)
出版日
2020年06月29日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

コロナ禍で多くの企業が苦戦を強いられているなかでも、伸び続けている企業がある。ワークマンはその筆頭というべき企業だろう。もともと職人向けの作業服専門店であったが、まったく同じ商品を、一般人向けの売り方に変えただけで、売り上げを急増させている。本書は、著者である記者の酒井大輔氏の視点から、アパレル界に革命を起こしたワークマンの快進撃の秘密を紐解いたものだ。

「売り方を変えただけ」というと単純な戦略であるように思われるが、実際の舞台裏の動きは想像よりもずっと緻密だ。職人向けの商品が一般の人にも受け入れられるのではないかと考えるに至った軌跡、新しい業態へ挑戦するために行った社内改革、低価格で高機能に徹底的にこだわり続ける企業努力など、ワークマンが新しい時代に合わせて果敢に変化していったことがうかがえる。その真面目なものづくりへの姿勢を知ると、「ワークマンに行ってみたい」と思うに違いない。

経験と勘だけで運営していたワークマン全体がデータ分析に強くなった「デジタルワークマンプロジェクト」、日本初の驚きの物流網システム「善意型SCM」、熱心な本物のファンと一緒に商品を開発する「商品開発アンバサダー」など、様々なアイデアや逆転の発想がワークマンの成長に寄与している。会社を変えて新しいことに取り組もうとするその姿勢は、多くのビジネスパーソンに気づきを与えてくれることだろう。

著者

酒井大輔(さかい だいすけ)
1986年石川県生まれ。京都大学法学部卒業後、金沢で新聞記者に。北陸新幹線担当として経済部、社会部で開業報道を担う。2017年2月、日経BPに入社。日経トレンディ編集部に加わり、五輪連載「Road to 2020」を担当。18年8月から日経クロストレンド兼日経トレンディ記者。20年6月から日経クロストレンド記者。再開発・商業施設・ホテル・新業態店からヒット商品、スタートアップ、経営者インタビューまで。街が変わる、世の中を変える試みの背景を、物語まで描き出す一本入魂スタイルで執筆を重ねる。

本書の要点

  • 要点
    1
    職人向けの作業服専門店として低価格・高機能を維持していたワークマンは、まったく同じ商品を一般の人向けの店舗「ワークマンプラス」で販売することによって、大ヒットを生んだ。
  • 要点
    2
    ワークマンがこれまで追求してきた低価格かつ高機能な商品は、アパレルでは競合不在のブルーオーシャンだった。
  • 要点
    3
    ワークマンの多品目商品をより一般層に広めるために、熱い本物のファンを「製品開発アンバサダー」として採用し、共同で商品開発を行っている。

要約

アパレル界に革命をもたらしたワークマン

作業服専門店が一夜でアウトドアショップに

ワークマンは、もともとは日々現場に出続ける職人のよきパートナー、安くて丈夫な作業服を専門に販売する店だった。そのワークマンが、18年9月5日に、「ららぽーと立川立飛」に新業態「ワークマンプラス」を出店した。これにより、作業服専門店が、一夜にして、アウトドアショップへの変貌を遂げた。日本のアパレル史に残る革命的な出来事だった。

マネキンやポップを多用し、洗練された雰囲気の店構えは、これまでワークマンに見向きもしなかった一般客を呼び込んだ。ここからワークマンは怒涛の進撃を始める。

売り方を変えただけで2倍の売り上げ
Michael Blann/gettyimages

ワークマンの「イメチェン」ぶりに、誰もが「ワークマンが、カジュアルウエアの新ブランドを開発し、ワークマンプラスというまったく新しい店をオープンした」と思ったことだろう。しかし、そうではない。ワークマンプラスに並んでいる商品は、すべて既存のワークマンで扱っているアイテムのなかから、一般受けしそうなアイテムを切り出したにすぎない。そのうえで、店構えを思い切って変えた。つまり、売り方を変えただけだったのだが、ワークマンプラスの売上高は既存店平均の2倍に急伸したのだ。

2020年5月末で869にまで店舗を拡大、あのユニクロを抜き去り、1000店舗体制も視野に入った。19年の消費税増税、そして昨今の新型コロナウイルスの流行という強烈な逆風にもかかわらず、20年3月期のチェーン全店売上高は1220億円と、創業以来初めて1000億円の大台に乗った。なぜワークマンは強いのか。そこには、ファンの期待を決して裏切らない経営姿勢があった。

ワークマンを変えた男

ユニクロ、ニトリを目指せ

2012年4月、土屋嘉雄会長(当時)が、三井物産で商社マンとして定年まで勤め上げた甥の土屋哲雄氏(以下、土屋氏)を直々にワークマンに招き入れた。嘉雄氏の「何もしなくていい」という言葉を自分なりに解釈し、土屋氏はCIO(最高情報責任者)としてシステム面のインフラの構築や、加盟店の若手の声を聞くことに2年間を費やした。商社ではマニュアルに沿わず、頑張る仕事を30年以上やってきた土屋氏だったが、ワークマンは真逆の哲学で回っていることに感心した。すべてがマニュアル化・規格化され、誰でも運営できるシステムが確立されており、あまり頑張らなくても成果を出せる状態だったのだ。

そんなワークマンの「超効率経営」のスタイルを評価しつつも、土屋氏はこのままでいいのかとも感じた。仕入れ品を安く売るだけではブランド力はつかない。ユニクロやニトリのように、PB(プライベートブランド)を自社で開発するSPA(製造小売)に変わらなければこれ以上の成長は難しいのではないか。そう考えた土屋氏が中心となって、ワークマンは2014年に「中期業態変革ビジョン」を社内外に宣言した。主に取り組もうとしたのは客層拡大で新業態へと進み、その新業態をデータ経営で運営することだ。

商品は良いのだから、売り方が悪い
Neydtstock/gettyimages

PBブランドの商品開発を進めるにあたり、土屋氏は完成度がユニクロに追いつくまで24時間ワークマンの服を着続けると決めた。始めた当初、家族からは「ダサい」と評判は最悪で、社内でも真似するものはいなかった。

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