ドラゴン桜とFFS理論が教えてくれる あなたが伸びる学び型

未読
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ドラゴン桜とFFS理論が教えてくれる あなたが伸びる学び型
出版社
出版日
2021年04月26日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

キャリアアップのための資格取得、異業種への転職に向けた情報収集、教養を深めるための読書など、学びは一生つづくものだが、自分の個性に合った学習スタイルを考えたことはあるだろうか。今までの経験から、「家では集中できないので図書館やカフェで勉強する」「あらかじめ決めたノルマを忠実にこなす」といったスタイルを身につけている方も多いかもしれない。

本書は、FFS(Five Factors & Stress)理論によって自身の個性を認識した上で、それに合った最適な学びの型(学習スタイル)を解説する本だ。FFS理論とは、環境や刺激に関する感じ方や捉え方の特性を5つの因子として計量化したものである。

FFS理論の5つの因子の中で、学習方法に関連する因子は2つある。飛び散っていこうとする力である「拡散性」と、維持するために工夫改善をしていく力である「保全性」だ。この因子のどちらかが高いかで、自分の学びの型が決まってくる。

本書は、“落ちこぼれ高校生”たちが東大合格を目指す人気コミック『ドラゴン桜』『ドラゴン桜2』のエピソードを織り交ぜながら、自分の個性に合わせて効率的に学ぶためのポイントを紹介している。丁寧に解説されているため、ドラゴン桜ファンはもちろん、ストーリーを知らない方でも楽しく読めるはずだ。

自分に合った勉強法で、集中力や学習効率は劇的にアップする。本書を読んで、学びのスタートダッシュをかけてみよう。

ライター画像
木下隆志

著者

古野俊幸(ふるのとしゆき)
株式会社ヒューマンロジック研究所 代表取締役
新聞社、フリージャーナリスト、出版社を経て、1994年にFFS理論を活用した最適組織編成・開発支援のための会社を設立して、現在に至る。現在まで約8000以上の組織・人材の活性化支援を行っている。チームの分析と編成に携わった実績は60万人、約6万チームを数える、チームビルディング、チーム編成の第一人者。前著『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれるあなたの知らないあなたの強み』(日経BP)は大きな話題を呼んだ。その他の著書には『人材の適正配置と組織の最適編成マニュアル』(アーバンプロデュース)、『組織を変える!社員を変える!会社が変わる!』(共著、中経出版)、『入門・チームビルディング』(共著、PHPビジネス新書)、『組織潜在』(共著、プレジデント社)、『本当のリーダーはどこにいる?』(共著、ダイヤモンド社)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    FFS理論で「拡散性」の高い人と「保全性」の高い人では、効率的な学習方法が異なる。「拡散性」の高い人は「概念化型の学び」、「保全性」の高い人は「体系化型の学び」が得意だ。
  • 要点
    2
    どんなタイプであれ、「基本の型」を身につけることなしに深く学ぶことはできない。型を身につけずに勉強を始めても、時間が無駄になるだけだ。
  • 要点
    3
    「拡散性」の高い人は飽きっぽいため、目標や夢に惚れることがカギとなる。「保全性」の高い人は、「やりたいこと」を探すよりも「できること」を増やしていくとよい。

要約

【必読ポイント!】学びには「型」がある

2つの「型」を知る

個性によって、学びに最適な方法は異なる。自分に最適な学習方法を見つけるための第一歩は、FFS理論に基づき、自分の個性を知ることだ。

FFS理論では、「凝縮性」「受容性」「弁別性」「拡散性」「保全性」という5つの因子の差に注目し、ある人の感じ方や捉え方を計量化する。なかでも勉強に最も影響を与えているのは、「拡散性」と「保全性」である。「拡散性」の高い人は「概念化型の学び」が得意で、「保全性」の高い人は「体系化型の学び」が得意だ。

自分は「拡散性」タイプかそれとも「保全性」タイプか。正確に調べるには本書にある自己診断を試してみていただきたいが、ここでは簡易的に調べる方法を紹介しよう。

「水泳を覚えるにはまず水に飛び込むこと」と聞いて、どのように感じただろうか?「それはそうだ、まず飛び込まないと」と思ったならば、あなたは「拡散性」の高い人である。一方で「それは怖い、ちゃんと水泳の基本を理解してから」と思ったならば「保全性」の高い人だ。

「拡散性」の高いタイプと「保全性」の高いタイプでは、何かを新しく学ぶとき、その取り組み方や獲得した情報を知恵へと昇華させる方法が異なってくる。この「学び型」の違いを理解して自分に合った学習スタイルを選ぶことで、学習効率を劇的にアップさせることができる。

「拡散性」の高い人
kazuma seki/gettyimages

「拡散性」の高い人は、「面白そう」「好きだな」と思ったらすぐアクションを起こす。未知の領域への挑戦であっても、とりあえずやってみる。失敗するとは思っていないし、失敗してもくよくよしない。『ドラゴン桜』の登場人物なら、大沢賢治が「拡散性」タイプである。

このタイプの人にとって、学びのキーワードは「体験」だ。気の向くままにさまざまな分野に触れ、失敗や成功を体験し、「普遍性」や「法則性」に気付く。

「拡散性」の高い人の学び型は、「脈絡のない体験を繰り返しながら、一つの概念に昇華させていく」だ。余分なものを削ぎ落として物事の本質にせまっていく「概念化型の学び」である。

「拡散性」の高い人の学習では、「体験の質」を上げることがポイントとなる。一つひとつの体験を通して、「こうするとうまくいく」「こうすると失敗する」という仮説・検証をくり返し、概念化にたどり着く。

「保全性」の高い人

「保全性」の高い人は、「面白そう」「好きだな」だけでは動き出せない。「失敗したくない」「確実に実現させたい」という気持ちが強いので、入念に準備をし、計画を立てて、慎重に進めていく。

このタイプの人はまず、情報収集に取り組む。情報を集めてリスクを減らし、「これなら着実に進めていける」と確信できてから、ようやく動き始める。

「保全性」の高い人の学び型は、獲得した知識を系統化して整理し、いつでも引き出せるように「体系化」していくことにある。体系化された知識の代表格、教科書は、「保全性」の高い人にとって安心できる教材だ。

「保全性」の高い人の学習では、知識をきちんと積み上げることがポイントとなる。ある分野に関して本を読むなら、同じテーマの本を何冊か読んで、その分野の全体像をつかむ。隙間なく順序よく知識を積み上げていくことで、物事を理解するための「軸」を作りあげていく。その結果、ただ知識を記憶しているだけでなく、問題に直面しても「あの体系が応用できるのでは」と推論して対応できるようになる。

「型」の重要性を意識する

「型」を作る
タイプごとの「学び型」以前の問題として、勉強には「基本の型」がある。型を身につけることなしに勉強を始めても、時間が無駄になるだけだ。どんなタイプであれ、これを身につけることなしに深く学ぶことはできない。効率よく、要領よく学びの基礎を築くには、洗練された「基本の型」を真似るのが一番だ。頭で考えるのではなく、とにかく実践し、コピーして身につける。ここでは、タイプごとに「基本の型」をうまく身につける方法を紹介しよう。

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要約公開日 2021.08.01
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