大谷翔平

二刀流メジャーリーガー誕生の軌跡
未読
大谷翔平
大谷翔平
二刀流メジャーリーガー誕生の軌跡
未読
大谷翔平
ジャンル
出版社
出版日
2023年06月29日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.0
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おすすめポイント

大谷翔平。この世紀の大打者に今更説明は不要だろう。投打における無双の活躍は、野球ファンならずとも日本中に広く知られている。20年前の野球ファンに「メジャーリーグで、ピッチャーとバッターの両方で活躍する日本人選手が出てくる」と言っても、間違いなく信じてはもらえないだろう。それほどまでに大谷翔平が現在進行形で残し続けている功績というのは、長い野球の歴史において傑出している。知名度も野球選手の中で群を抜いており、その成績はもちろん、日ごろの態度や交友関係、果ては通訳の素性までが広く話題にされる。

しかし大谷選手について知っている人でも、本書は新鮮に感じるはずだ。著者でありスポーツライターでもあるジェイ・パリス氏はエンゼルスが地元球団。ページを繰れば同球団に深い愛情を持っていることが分かるだろう。それ故に、エンゼルスファンの貴重な視点から大谷選手の活躍について語っている。日本のドキュメンタリーでは決して伝わらない、エンゼルスファンの熱量、そして歓喜、落胆などが実に活き活きと描かれている。取材する上でエンゼルスのチームメイトや相手チームの選手の談話、監督のコメントなどをたくさん取り入れているのも特徴だろう。我々とは異なる視点から大谷選手に注がれる眼差しは、きっと読者にも新しく感じられるはずだ。

著者

ジェイ・パリス(Jay Paris)
スポーツ・ジャーナリスト。主な著書に『Game of My Life San Diego Chargers』、『Game of My Life Rams』などがある。全米プロフットボール記者協会の記者賞を3度受賞しており、現在はMLB.com、Forbs.com、AP通信の記者として活躍している。カリフォルニア州、サンディエゴ在住。

本書の要点

  • 要点
    1
    球史に残る逸材大谷翔平。その輝かしい軌跡は岩手県から始まることとなる。高校卒業後、大谷はメジャーリーグ行きを熱望。その後日本ハムの説得により、日本でプロ野球選手のキャリアをスタートさせる。
  • 要点
    2
    その後、大谷はメジャーリーグのエンゼルスへ移籍。契約金の制約があったため、多くの球団が大谷獲得に名乗りをあげることとなった。
  • 要点
    3
    シーズン前の春には芳しくない成績のため、不安視する声が多かった。しかし、シーズンが始まると大谷は投打に活躍。ベーブ・ルース以来誰も歩む事のなかった道をただ一人歩き始めた。

要約

二刀流の始まり

日本プロ野球へ
PeopleImages/gettyimages

大谷は米国野球界を席巻した。デビュー時の華々しい活躍。全てのリソースを野球につぎ込む真摯な態度。相手チームのファンですら注目するそのポテンシャル。ベーブ・ルース以来、誰も歩む事のなかった二刀流という道。ただ一人その道を突き進む大谷翔平は一体どのような環境で育ち、二刀流という未踏の境地を切り開くことになったのだろうか。

大谷は東北、岩手県奥州市に生を受けた。父親は社会人野球の名門チーム三菱重工横浜でプレーし、母親は元バトミントンの選手である。

少年大谷を夢中にさせたのが歴史と野球だった。とりわけ野球への思いは強く、大谷は一流の選手になるための計画を練った。その目標は、日本のプロ野球ドラフト会議で8球団から1位指名を獲得することだ。才能と目標、そしてそれに向かう意識の高さを兼ね備えた大谷に、不可能なことはほとんどないように思えた。夢に向けて地道に課題をこなして実力をつけていた大谷だったが、8球団から1位指名を受けることは難しくなる。なぜなら、大谷は各球団が指名選手を発表する数日前、メジャーリーグを目指す意向を表明したからだ。

メジャーへの意向によりほとんどの球団が指名を断念した。そんな中、名乗りを上げたのが日本ハムである。日本ハムのスカウトはいきなりメジャーを目指しても成功例は非常に少ないという事実をデータで提示した。当時18歳だった大谷が慣れないマイナーリーグの環境で経験を積むよりも、日本の野球界のトップレベルで腕を磨く方が本人のためになる。さらに日本ハム上層部は、大谷を二刀流選手として起用するという条件も提示した。こうして日本ハム渾身の説得は功を奏し、大谷は日本ハムへの入団を決意する。

投打の活躍

入団後、日本ハムは賛否両論がありながらも大谷を二刀流で使い続けた。大谷は投打に活躍していたとはいえ、打率は2割3分と決して突出した打者ではなかったから否定的な意見が出るのもある意味当然だろう。1年目の新人王こそ楽天の則本昴大に大差をつけられて2位となったが、2年目はその持ち前の剛速球と爆発的な長打力で大谷は頭角を現していった。2014年9月7日のオリックス戦で10号ホームランを放ち、2桁勝利2桁ホームランという偉業を達成することになる。

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要約公開日 2023.09.23
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