大前研一ビジネスジャーナル No.1

強いグローバル戦略/脆いグローバル戦略
未読
日本語
大前研一ビジネスジャーナル No.1
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強いグローバル戦略/脆いグローバル戦略
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日本語
大前研一ビジネスジャーナル No.1
出版社
masterpeace
定価
1,650円(税込)
出版日
2014年11月07日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

大前研一氏と言えば、いわずと知れた経営思想の大家であり、今でも多くの経営者や国家トップ層がその指導を仰ぎに日参している。この『大前研一ビジネスジャーナル』は、彼の虎の子とも言えるコンテンツを開放し、多くの読者に届けようという野心的な取り組みである。本書はその第一号として、今日本にとって最重要課題とも言えるグローバル戦略について語られたもので、日本、米国、欧州、BRICS、ASEANを俯瞰し、今日本に求められる解決策とは何かを追究している。

本書では日本の強み・弱みが客観的に語られている。日本には少子化や国家財政など課題は多いものの、すでに十分に発展を遂げ今も強みを多く有する点で、悲観的になりすぎる必要はない。韓国や中国など日本を追い上げる国でも、過去日本が歩んできた道のりに近く、未だ先進国に至るまでの壁は厚いと言える。

ただし、日本はこのままではジリ貧となってしまい、グローバル経済におけるプレゼンスも低下する一方だ。そのような状況において、大前研一氏が提示する「大前流 改革案」は必見だろう。冒頭で大前研一氏が語っているように、「グローバル化社会で戦っていける強いリーダーを生み出していくためには何が必要なのか?」、多くのビジネスパーソンにとって必要なグローバル経済の教養が詰められた本書は、読んで後悔することは一切なく、投資対効果の高い教材であると断言する。

ライター画像
大賀康史

著者

大前 研一(おおまえ・けんいち)
1943年、福岡県若松市(現北九州市若松区)生まれ。早稲田大学理工学部卒業。東京工業大学大学院原子核工学科で修士号、 マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。経営コンサルティング会社マッキンゼー&カンパニー日本社長、本社ディレクター、アジア太平洋地区会長等を歴任。94年退社。96~97年スタンフォード大学客員教授。 97年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院公共政策学部教授に就任。 現在、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長。オーストラリアのボンド大学の評議員(Trustee)兼教授。 また、起業家育成の第一人者として、05年4月にビジネス・ブレークスルー大学大学院を設立、学長に就任。2010年4月にはビジネス・ブレークスルー大学が開学、学長に就任。02年9月に中国遼寧省および天津市の経済顧問に、また10年には重慶の経済顧問に就任。04年3月、韓国・梨花大学国際大学院名誉教授に就任。「新・国富論」、「新・大前研一レポート」等の著作で一貫して日本の改革を訴え続ける。『原発再稼働「最後の条件」』(小学館)、「洞察力の原点」(日経BP社)、「日本復興計画」(文藝春秋)、「一生食べていける力」がつく大前家の子育て(PHP研究所)、「稼ぐ力」(小学館)、「日本の論点」(プレジデント社)など著書多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    日本はアベノミクスで製造業を中心に利益水準が大幅に改善しているが、その実態は円安に伴う為替上の利益にすぎない。
  • 要点
    2
    「税制の抜本改革」、「お金が市場に出てくる仕掛けを作る」、「規制撤廃フラグシップ・プロジェクト」といった政策こそが今日本に求められる改革案だ。
  • 要点
    3
    日本の企業は時間をかけて「イノベーション」「ブランド力」「グローバルオペレーション」を築いてきたが、「後継体制づくり」は今も課題として残っている。欧米における有力企業の仕組みを参考に、世代交代が円滑に進む方法論を構築していくべきである。

要約

創刊記念インタビュー

Ernest Prim/iStock/Thinkstock
経営者を育てる実践的ケーススタディとは?

本書は、大前研一氏がセミナーや教育機関で話していることを中心に、「世界のビジネスを知り、日本発企業がイノベーションを生み出す環境をつくる」ために編集された書である。世界全体を見据え、日本がなぜいつまでも低迷しているのか。日本がこれから競争力を取り戻すため、今抱えている本質的な問題についての解決策を見いだしていこうという構想である。

現在の日本の経済、企業経営を考える上で、「コンシューマー」と「テクノロジー」という観点を欠かすことはできない。コンシューマーは、おひとりさま、すなわち単身世帯が増加するなどの背景を把握することが必要だ。また、テクノロジーに関しては、急速に進むテクノロジーの進歩が産業に与える影響に対して、経営者の対応が遅いことが気になる。

そのような背景の下で、大前研一氏のセミナーでは、「マーケティング技術」「アカウンティング」など、ビジネススクールにおいて一般的な講義の内容ではなく、これからの社会、経済、経営がどうなっていくのかを発信することに注力している。「経営に関する知識のデパート=大前百貨店」として、あらゆるレベルの聴衆に対して最も良いものを提供していくことを志向している。その中で共通するアプローチとして、最新の企業データを用いて、自分が経営者だったらと仮定し、どのように企業を導いていくのかを徹底的に考えていく機会を提供している。

経営者の訓練に早すぎるということはない。松下幸之助氏は小学校を出てすぐに商売を始めている。本田宗一郎氏もそうであるが、大学で学んでいないことをものともせず、世界に冠たるブランドを築き上げた。そのような日本の戦後第一世代とも呼ぶべき経営者に近い存在は、今はアジアの優秀な経営者によく見られる。

良い学校へ行って、先生の言うことを聞き、という行動に終始するのではなく、実践的な商売の体験をするなど今すぐにでも経営者として訓練を始めてみてはいかがだろうか。

【必読ポイント!】世界経済のジレンマ

世界経済を俯瞰

2013年における世界経済の成長を見ていくと、前年と比較して全体的に鈍化している傾向がある。特にBRICSの低迷が鮮明だ。BRICSは当初、ブラジル、ロシア、インド、中国を指していたが、最近では最後のSを大文字で書き、南アフリカ共和国を加えるようになっている。

BRICSの低迷の理由は、主に政治・役所の腐敗にある。インドは政治家、中国は政治家および役人、ロシアは役人、ブラジルは治安維持において腐敗が進んでおり、各国の成長を阻害している。

欧米では近年、「ジャパナイゼーション(日本化)」という言葉がしきりに使われている。つまり、

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