決定版 バフェットの投資哲学がマンガで3時間でマスターできる本
決定版 バフェットの投資哲学がマンガで3時間でマスターできる本
決定版 バフェットの投資哲学がマンガで3時間でマスターできる本
出版社
明日香出版社

出版社ページへ

出版日
2024年12月13日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
要約全文を読むには
会員登録・ログインが必要です
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

新NISAの開始、iDeCoの盛んな宣伝もあり、「お金に働いてもらう」投資について学びたいと考える人は、以前よりもかなり多くなっている。しかし、思うようにお金が増えていかないばかりか、むしろ目減りしているように見えることもあり、慌てふためいてしまう人もいるだろう。そんな状態で投資を続けるくらいなら、おとなしく預貯金にまわしたほうが精神衛生にいいかもしれない……。

そうした初心者投資家にこそ、「世界一の投資家」「オマハの賢人」と呼ばれるウォーレン・バフェットのことを知ってほしい、と著者は提案する。バフェットは11歳で投資人生を歩み出してから、大きな負けを経験せずに、その名声と富を得てきたという。そのバフェットが語る言葉は、投資家への教訓になるだけでなく、アマゾンやグーグルの創業者たちを支えるもの、若い学生たちの人生の指針にもなっている。「正しいマネーセンス」に加えて、「『どう生きるべきか』という太い柱」を育てていくための糧となるのだ。

少数の優良企業の株を長期間持ちつづけることがバフェットの投資の特徴といわれる。けっして派手さはない。その堅実な態度はいかにしてつくられたのか。それが、なぜ莫大な資産を生むに至ったのか。とにかくお金を増やしたいという人も、不安に感じない程度の人生資金があればいいと考える人も、そのバフェットの姿勢から得られるものは大きいだろう。

著者

桑原晃弥(くわばら てるや)
1956年、広島県生まれ。慶應義塾大学卒。業界紙記者などを経てフリージャーナリストとして独立。トヨタ式の普及で有名な若松義人氏の会社の顧問として、トヨタ式の実践現場や、大野耐一氏直系のトヨタマンを幅広く取材、トヨタ式の書籍やテキストなどの制作を主導した。一方でスティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾス、イーロン・マスクなどの起業家や、ウォーレン・バフェットなどの投資家、本田宗一郎や松下幸之助など成功した経営者の研究をライフワークとし、人材育成から成功法まで鋭い発信を続けている。著書に『ウォーレン・バフェットの「仕事と人生を豊かにする8つの哲学」』(KADOKAWA)、『マンガでわかる イーロン・マスクの起業と経営』(スタンダーズ)、『限界を打ち破る 大谷翔平の名言』(ぱる出版)など多数。

べじこ
兵庫県神戸市生まれ。営業職からイラストレーターに転身。「名古屋市営交通100周年PRパンフレット」、味の素名古屋支社「ラブベジ®のうた」など自治体や大手企業の制作物に多数参画。イラストやマンガでわかりやすく楽しく伝えることがモットー。野菜・温泉ソムリエ、ソルトコーディネーター。著書に『キャラ営業の極意』(ぱる出版)、『決定版 中村天風の教えがマンガで3時間でマスターできる本』(明日香出版社)など。

本書の要点

  • 要点
    1
    小さいころからお金持ちを目指していたのは、自立したかったからであり、お金が目的なのではなく、「最終的には『社会に返す』」のがその生き方である。
  • 要点
    2
    「決めたルールに関してはとことん守り抜く」。そして、価格ではなく価値にこだわることで、世界一の投資家となった。
  • 要点
    3
    「長期でものを見る」だけでなく、「事業の一部を所有する」姿勢で投資している。
  • 要点
    4
    「稼いだ額の大きさで自分の人生を測る」ようなことはせず、愛こそが成功を測るものだと考えていた。

要約

世界一の投資家はこうしてつくられた

価値へのこだわり
quentinjlang/gettyimages

バフェットが初めてビジネスに触れたのは、なんと6歳だ。6本のコーラを25セントで仕入れて1本5セントで売ったり、祖父の雑貨屋のソーダやガムを売り歩いたりした。それも家が貧しかったわけではなく、「『お金が増えていく』のを見るのが好き」だったからだ。こうして蓄えた資金が、投資のための「雪の玉」となった。「投資に限らず何かで成功するためには常に『先頭を行く』ことが大切」なのである。

バフェットが小さいころからお金持ちを目指していたのは、自立したかったからだという。「自分のために働くのが一番。他人に指図されたくない」と語るのはそのせいだ。お金が目的なのではなく、「最終的には『社会に返す』」のがバフェットの生き方である。

バフェットは、『1000ドル儲ける1000の方法』という本を10歳のころに読み、「『幸運を待つのではなく、自ら動き始める』ことと、『複利の考え方』について」学んだ。そうして「35歳までに100万長者になる」ことを目指すようになった。この運用の価値と同時に、今日の1ドルも無駄にせず運用していく節約の意味についても、複利の学びから得ている。

バフェットは「決めたルールに関してはとことん守り抜く」。16歳くらいのとき、みずから作成した予想紙を競馬場で販売し、勝ち馬を予想するために何百冊という本や古い予想紙を読みこんで、次のような2つの原則を見出した。「1レースだけで帰る者はいない」「損するレースに賭けなくてよい」。そして、「きちんと分析して賭けていない人間が多い集団に加わるほどよい」ことも学んだ。これはそのまま投資にもいかされている。感情や欲望に振り回されず、「やめどきが肝心」「負けそうな市場には乗らない」「価格の読み間違いをしている投資家が多い銘柄に投資」というルールを忠実に守っているのだ。だからこそ、バブル景気においても派手な人気銘柄の「価格」には目もくれず、「価値」にこだわることで成功を手にしつづけ、「世界一の投資家」となった。

【必読ポイント!】 投資に向けた考え方

長期的なものの見方

長期保有は、バフェットの投資の特徴のひとつだ。「長期でものを見る」だけでなく、「事業の一部を所有する」姿勢で投資している。

経済学者のベンジャミン・グレアムはバフェットに「株式市場は短期的には投票計、長期的には重量計」ということを教えた。常に企業価値を反映しているとは限らない時価総額ではなく、業績、価値の積み上げがわかる「重量計」に注目して、本当に優れた企業に投資をする。「喜んで10年間株を持ち続ける気持ちがないのなら、たった10分でも株を持とうなどと考えるべきですらない」との考えだ。

もっと見る
この続きを見るには...
残り2970/4097文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2025.11.02
Copyright © 2025 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
夜、寝る前に読みたい宇宙の話
夜、寝る前に読みたい宇宙の話
野田祥代
「自分には価値がない」の心理学
「自分には価値がない」の心理学
根本橘夫
伝え上手になりたい
伝え上手になりたい
小川奈緒
ベンチャー人事のすごい仕組み
ベンチャー人事のすごい仕組み
村上亮
キーエンス 最強の働き方
キーエンス 最強の働き方
齋田真司
非常識な「ハイブリッド仕事論」
非常識な「ハイブリッド仕事論」
文化放送 浜カフェ(著)入山章栄(編)
大きなシステムと小さなファンタジー
大きなシステムと小さなファンタジー
影山知明
決定版 アドラー心理学がマンガで3時間でマスターできる本
決定版 アドラー心理学がマンガで3時間でマスターできる本
吉田浩岩井俊憲 (監修)