カイシャがなくなる日
カイシャがなくなる日
組織と働き方の進化論
カイシャがなくなる日
ジャンル
出版社
出版日
2025年09月30日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

会社とは何か。いかにして生まれ、変貌していき、今後どのような運命をたどるのか――。この大きな問いを読者に投げかけ、じっくり考えさせてくれるのが本書である。

著者の名和高司氏は、三菱商事を経てマッキンゼーで約20年にわたりディレクターとして活躍し、一橋ビジネススクールや京都先端科学大学で次世代リーダーを育ててきた経営学者である。ファーストリテイリングや味の素などの社外取締役も歴任し、理論と実践を横断しながら、『パーパス経営』『超進化経営』など数多くの著書を通して経営のあり方を提案してきた。

本書は、名和氏をモデルにした「タカシ先生」と3人のゼミ生を登場人物とする物語形式で、「カイシャはなぜ生まれたのか」「カイシャはなぜ変貌したのか」「カイシャはなぜ消滅したのか」という3つの問いについて探究していく。登場人物たちのディスカッションを通じて、読者は「カイシャ」という制度の誕生、進化、そして消滅のプロセスについて思考を深める。

金剛組や竹中工務店、渋沢栄一などの実例を交えつつ、企業の本質を「遺跡」として掘り起こす構成が興味深く、他にない一冊となっている。読み進めるうちに、会社を単なる「経済活動のための仕組み」や「働く場所」としてではなく、読者一人ひとりが異なる新たな形で捉えられるようになるだろう。知的刺激に満ちた読書体験を求める人に勧めたい。

著者

名和高司(なわ たかし)
京都先端科学大学 教授
一橋ビジネススクール 客員教授
東京大学法学部卒、ハーバード・ビジネス・スクール修士(ベーカースカラー授与)。
三菱商事を経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーにてディレクターとして約20年間、コンサルティングに従事。2010年より一橋ビジネススクール客員教授、2021年より京都先端科学大学教授も兼務。
ファーストリテイリング、味の素などの社外取締役を歴任。企業および経営者のシニアアドバイザーも務める。
著書に、『パーパス経営』(東洋経済新報社、2021年)、『稲盛と永守』(日本経済新聞出版、2021年)、『シュンペーター』(日経BP、2022年)、『桁違いの成長と深化をもたらす10X思考』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2023年)、『パーパス経営 入門』(PHP研究所、2023年)、『超進化経営』(日経BP 日本経済新聞出版、2024年)、『エシックス経営』(東洋経済新報社、2024年)、『シン日本流経営』(ダイヤモンド社、2025年)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    現存する世界最古のカイシャは、1400年以上続く「金剛組」である。私たちは金剛組から、同族会社の強さと上場企業のもろさ、そして未来志向の大切さを学べる。
  • 要点
    2
    私たちは「資本主義を体現する装置として、カイシャという形態が未来永劫ベストなのか」という問いから逃げてはならない。現在の形態に縛られず、組織の進化そのものを広い視野と未来志向で捉え直す必要がある。
  • 要点
    3
    TJC(伝統的日本企業)を再生するには、日本が得意としてきた「異結合」(異質なもの同士を化学反応させ、新しい価値を生み出すための創造的な技)の力が欠かせない。

要約

旅のはじまり

カイシャのあり方を考える3つの問い

このゼミでは、トーモ、ペータ、レキトの3人とともに「遺跡としてのカイシャ巡り」の旅に出る。

初回のゼミで、担当教授のタカシ先生は語った。「このゼミでは、『カイシャはいずれなくなる』という仮説をおきます。問うべきは、いつ(When)やどう(How)ではなく、なぜなくなるのか(Why)です。そして、カイシャがなくなったあとに何が残り、何が生まれるのか(What)です」

「次回から『カイシャという遺跡を巡る旅』を3つの問いで考えてください。カイシャはなぜ生まれ、なぜ変貌し、なぜ消滅したのか――それぞれ担当を決めてプレゼンしてもらいます」

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要約公開日 2025.11.15
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