キッズアプローチ

子ども主体の保育 ~生きる力・非認知能力を育てる
未読
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子ども主体の保育 ~生きる力・非認知能力を育てる
未読
キッズアプローチ
出版社
リスナーズ

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定価
1,650円(税込)
出版日
2020年12月01日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

本書は、教育分野で起業し、51歳の若さで藍綬褒章を受章した著者が、半生を振り返り、その経験をもとに子どもたちとの接し方について解説した本である。父の経営する幼稚園を継ぐべく運営を試みるも、父との方針の違いから事業承継に失敗、大きな挫折を経験する。

しかし著者はそこから自分と向き合い、乳幼児教育の道をあきらめないことを選択。その経験が、この「キッズアプローチ」という教育方針や子どもたちとの関わり方に大きく影響することとなる。

著者は、教育は哲学であると語る。保育者(本書では幼稚園教諭や保育士の総称)は子どもに接する際、言葉や行動の一つひとつに意味を持たせながら、「子どもにどのような人になってほしいか」を体現する必要があると説く。

著者の教育方針は性善説に基づき、子どもの言動や行動を肯定的に捉える。さらに、ルールや解決方法をあえて大人からは与えず、子ども自身が考えて行動するのを「待つ」という姿勢に徹している。大人にとっては大変根気のいることだが、自らが出した「乳幼児教育の道」を貫いてきた著者だからこそ、説得力を伴って響く言葉だ。

「叱らず否定しない教育なんて、理想が高すぎる」。そう疑問に思った人にこそ、本書をご一読いただきたい。大人のどのような姿勢が子どもたちを成長させるのか、豊富な事例から読み解けるだろう。

ライター画像
菅谷真帆子

著者

大塚雅一(おおつか まさかず)
1966年栃木県栃木市生まれ
株式会社キッズコーポレーションホールディングス代表取締役社長&CEO
学校法人自然保育学園風と緑の認定こども園理事長
COCO-RO PTE.LTD. Director(シンガポール)
北京开以此管理咨询有限公司 董事(中国)
大学卒業後、大学附属幼稚園の勤務を経て、27歳で起業。「画一的な幼児教育」に疑問を感じ、理想の幼児教育像を求めて300ヵ所を超える幼稚園・保育園を訪問。自らが理想とする幼児教育を追い求めて現在に至る。
代表取締役を務める株式会社キッズコーポレーションでは病院内保育所、事業所内保育所を中心に全国各地で展開。また都内を中心に認可保育所「大空と大地のなーさりぃ」を運営。2021年8月現在、約230か所の施設を運営している。
理事長を務める風と緑の認定こども園は、子ども主体の保育を最もよく実践するシンボル園として運営されている。
2017年秋、「藍綬褒章」を受章。
51歳という異例の若さで受章し、天皇陛下にも拝謁した。

本書の要点

  • 要点
    1
    「子ども主体の保育」では、問題行動をする子どもであっても、言動や行動を否定せず、常に肯定的な言葉がけや関わり方をしていくことがもっとも基本的な姿勢である。
  • 要点
    2
    子ども同士のトラブルは、子どもにとって課題解決能力を養う機会となる。保育者や保護者に必要なのは、子どもが自分たちで解決の道を見つけられるよう、「待つ」姿勢である。
  • 要点
    3
    「主体性」は子どもを大人の価値観に従わせようとすることで失われてしまう。大人は子どもの「したい」を大切にし、見守ることが重要である。

要約

教育者となるまで

政治家志望から教育者へ

著者が乳幼児教育の道を歩むことを決めたのは、大学3年生の時だった。社会をよりよく変えたいという思いが強く、政治家を目指していたが、大学3年の時に出会った教育学の教授に「社会を変えていけるのは『教育者』として自分と同じ思いを持つ人を育てることだ」と聞かされ共感する。

乳幼児教育分野へ興味が絞られたきっかけは、教育実習体験だった。実習先の高校で、高校生はすでに人としての基本的姿勢が出来上がっていると実感した。そこで、基本を身につける幼少期の教育への関心が強まった。幼稚園を経営していた父の影響も大きかったという。

著者は大学卒業後に幼稚園免許を取得するため、昼は父が経営する幼稚園で働き、夜は近くの短期大学の幼児保育科に通っていた。しかし、保育の現場を知るほどに、父の行う「一斉保育」と自分の理想とする保育が乖離していると、身をもって感じた。

一斉保育は、保育者がねらいを持って指導案を設定し、それに基づいて保育を行う。先生から課題を与えられて取り組む子どもたちの中には、楽しそうではない、やりたくないという表情をする子もいたという。

著者自身、興味・関心がないことには全くやる気が起きない人間であったことから、一人ひとりの個性や特技を伸ばせる保育がしたいと考えるようになった。

保育の神様との出会い
vm/gettyimages

ある日、父の知人の幼稚園園長に胸の内を告白したところ、著者がやりたいことを実践している先生として、堀合文子先生を紹介される。堀合先生は、「日本のフレーベル」と呼ばれる倉橋惣三先生の弟子であり、「保育の神様」と呼ばれる人物だ。

著者は堀合先生に会うため十文字女子大附属幼稚園を訪れた。そこで保育への熱い思いと保育実習をしたい旨を伝えると、快諾された。

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