仕事も人間関係もうまくいく! 「脳」の地図帳

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仕事も人間関係もうまくいく! 「脳」の地図帳
出版社
出版日
2022年09月10日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

あなたの話が伝わらない原因はズバリ、脳にある――そう語るのは、脳内科医として1万人以上の脳を診断・治療してきた著者、加藤俊徳氏だ。本書は、脳全体をバランスよく活用した、言いたいことが「伝わる」コミュニケーションを教えてくれる一冊である。

本書のキーワードは「脳番地」だ。著者は、脳を地図に見立てて、機能別に8つの区画に分けた。人それぞれの個性によって、脳番地の発達度合いは異なる。運動系脳番地が発達している人もいれば、感情系脳番地が発達している人もいる。視覚系脳番地は未発達だが、聴覚系脳番地は発達している人もいる――といった具合だ。眠っている神経細胞を刺激して育てていくことで、これまで苦手だと思っていた分野を克服できる可能性もあるそうだ。

本書を読めば、コミュニケーションがうまくいかない理由は、言葉だけを使っているからだとわかるだろう。あなたの「コミュ力」アップのカギは、話し方や聞き方のノウハウを学ぶことではなく、脳番地のしくみを理解し、未発達の脳番地を発達させたり、相手の脳番地を刺激したりすることにあるかもしれない。「伝わる人」のまねをする、食べる順番を変える、大事な話はいつもと違う場所でする、一日のテーマを決めて行動する、前日までに手みやげを用意するなど、本書で紹介される習慣を試してみてはいかがだろうか。

ライター画像
木下隆志

著者

加藤俊徳(かとう としのり)
新潟県生まれ。脳内科医、医学博士。株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。脳番地トレーニング、脳活性音読法の提唱者。
1991年近赤外光を用いて脳機能を計測する「fNIRS(エフニルス)」法を発見。95年から米ミネソタ大学放射線科MR研究センターに研究員として従事。帰国後、「脳の学校」、「加藤プラチナクリニック」を開設し、独自開発した加藤式MRI脳画像診断法(脳相診断)を用いて、小児から高齢者まで1万人以上を診断・治療。脳の成長段階、強み弱みの脳番地を診断し、薬だけに頼らない脳番地トレーニング処方を行う。InterFM897「脳活性ラジオDr.加藤 脳の学校」のパーソナリティーを務める。
著書に『1万人の脳を見てわかった!「成功脳」と「ざんねん脳」』(三笠書房《知的生きかた文庫》)『1万人の脳を見た名医が教えるすごい左利き』(ダイヤモンド社)『脳の強化書』(あさ出版)『ADHDコンプレックスのための脳番地トレーニング』(大和出版)など多数。

◎加藤プラチナクリニック公式サイト
https://www.nobanchi.com/
◎「脳の学校」公式サイト
https://www.nonogakko.com/

本書の要点

  • 要点
    1
    脳では、似た機能をもつ神経細胞同士が集まって「基地」のようなものを形成している。著者はそれを「脳番地」と呼んでいる。
  • 要点
    2
    脳番地を役割別に分けると、「伝達系」「理解系」「聴覚系」「視覚系」「思考系」「運動系」「感情系」「記憶系」の8つがある。
  • 要点
    3
    脳番地を活用して「伝わる人」になるには、(1)自分の脳番地を使いこなす、(2)自分と相手の脳番地をシンクロさせる、(3)相手の脳番地を刺激する、の3つのステップが有効だ。

要約

言いたいことがきちんと伝わる「脳」の使い方

脳全体を使ってやりとりする

「自分の意見が伝わらないのは、口下手だから」「言葉の使い方が巧みでなければコミュニケーションはうまくいかない」と思っている人もいるだろう。脳科学の見地からすれば、それは誤解である。

ある会社の社長と職人肌の棟梁が打ち合わせしたとする。社長は言葉を尽くして自分のアイデアをプレゼンするが、棟梁は「何が言いたいかわからない」と戸惑うばかりだ。社長も「こんなに丁寧にしゃべったのに、どうしてわかってもらえないのだろう?」と困ってしまった――。

こうした行き違いが起こるのは、「言葉以外」のやりとりをないがしろにしているからだ。社長は「コミュニケーションにおいては、言葉のやりとりがすべてだ」と誤解している。実際、言葉巧みなプレゼンで社員や取引先を動かしてきたのだろう。一方、「仕事は背中から学べ」と、言葉よりも行動で伝え合うことに慣れている棟梁にとって、数多くの言葉は役に立たなかったのだ。

コミュニケーションにおいては、相手に応じた「言葉以外」のやりとりが重要だ。そのためには、言語以外の脳のエリア=見る、聞く、感じる、考える、記憶する、行動するなど、脳全体を使ったコミュニケーションを意識する必要がある。

では、具体的にどうすれば「伝わる人」になれるのか。その鍵を握るのが「脳番地」という考え方だ。

8つの「脳番地」を理解する
natrot/gettyimages

脳には1000億個以上の神経細胞が存在しており、同じような機能をもつ神経細胞が集まって「基地」のようなものを形成している。著者はそれを「脳番地」と呼ぶ。

脳番地は役割ごとに8つに区分できる。「伝達系」「理解系」「聴覚系」「視覚系」「思考系」「運動系」「感情系」「記憶系」である。たとえば思考系脳番地はものを考えたり発想したりすることに関わる脳番地で、運動系脳番地は体を動かすことに関わる脳番地だ。

脳番地の成長度合いは人によって異なる。コミュニケーションをとるのが好きな人は伝達系脳番地が、スポーツが好きな人は運動系脳番地が発達しているといった具合だ。

眠っている脳番地を鍛える

MRI画像を見ると、まだまだ成長余地のある未熟な神経細胞が、脳にはたくさん残されていることがわかる。著者はこの未熟な神経細胞を、成長の可能性を秘めた「潜在能力細胞」と呼ぶ。潜在能力細胞を刺激して成長させれば、新たな才能を発揮することも可能だ。

たとえば、読書は好きだがコミュニケーションは苦手だという人は、理解系や思考系の脳番地は発達しているが、伝達系や聴覚系・視覚系は未開発なのかもしれない。未開発の脳番地を鍛えれば、コミュニケーション能力が高まるだろう。

【必読ポイント!】 「伝わる人」になるための脳番地の使い方

ステップ(1)自分の脳番地を使いこなす

「伝わる人」になるための脳番地の使い方には3つのステップがある。

1つ目のステップは「自分の脳番地を使いこなす」。

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要約公開日 2022.10.25
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